家族葬専門葬儀社オフィスシオン しきたりアカデミー

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1月28日 ごめんなさい、ありがとう

「オフィスシオンFMしきたりアカデミー」では、家族葬専門葬儀社オフィスシオンが、しきたりや、葬にまつわる慣習やマナーをご紹介いたします。

今回のシリーズは、「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」です。今は亡きあの人へ伝えたい言葉プロジェクトは人と人の温かいつながりや、人の優しい心を多くの人に伝えていこうとの思いからスタートしました。全国から寄せられたたくさんのお手紙の中から、毎日1話ずつご紹介していきます。

ごめんなさい、ありがとう

お母さん、あなたが旅立って5年の月日が流れました。

病院から自宅に戻り、座敷で厳かに『湯灌』が行われました。そこに静かに横たわるあなたは、今にも目眠りから覚めそうな、穏やかな表情をしていました。私は思わず頬に触れてみました。手のひらに伝わる冷たさを除けば普段のお母さんとはなんの変わりもありませんでした。お父さんと2人、湯水で拭き清めました。

亡くなる数ヶ月前、新幹線を乗り継ぎ、お見舞いに行った日のことを覚えていますか?あの時、これが最後の面会になるのではと、胸が締め付けられました。不謹慎だとは思いましたが、目の前にいるあなたの温もりを、この手に感じておきたいと思いました。私は還暦近くなるというのに、未だ自分の本心を母親に打ち明けられず、距離を置いてしまう成長しない娘でした。何事にも意欲的で気高さた漂うあなたの姿は引き込み事案で消極的な私にとってはあまりにも眩しく、近寄りがたい存在だったのです。
病室で『今日はシャワーの日なの?』と胸の内は悟られないように、私は敢えて明るく聞いてみました。『昨日だったよ』という返事に、『体を軽く拭せてくれる?』とためらわずに言葉が出ました。あなたは少し微笑んで頷いてくれましたが、心を見透かされているようで実は動揺してたんですよ。洗面所とベッドを往復しながら、これは自己満足なのかそれとも親孝行なのか、自問自答・・・。そしてこんな形で母親とのふれあいを持とうとした自分が情けなくもなりました。

『湯灌』という厳粛な時の流れの中で、再びお母さんと対面していると少しずつ穏やかになっていく自分を感じました。そして初めて心おきなくあなたと会話する、娘としての自分の姿がそこにあったような気がします。亡くなってもなお、私を見守るお母さんの存在を感じ、胸が熱くなりました。
振り返れば『湯灌』という儀式は私の厄介な性格までも綺麗に洗い清めてくれたのかもしれません。

あれから5年、妙な話ですが、年を重ねるごとに母を娘の絆が深まっているように思えます。
今更ですがいえ今だからこそお母さんに伝えたい・・・。
素直な娘でなくてごめんなさいね。そしていつもそばにいてくれてありがとうございます。おかげさまで主人や子供達そしてお母さんのひ孫達、みんな幸せに暮らしていますよ。

家族葬専門葬儀社オフィスシオンがお送りいたしました。

月, 1月 28 2013 » 「今は亡きあの人に伝えたい言葉」より

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