家族葬専門葬儀社オフィスシオン しきたりアカデミー

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1月23日 母よ、許しておくれ

「オフィスシオンFMしきたりアカデミー」では、家族葬専門葬儀社オフィスシオンが、しきたりや、葬にまつわる慣習やマナーをご紹介いたします。

今回のシリーズは、「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」です。今は亡きあの人へ伝えたい言葉プロジェクトは人と人の温かいつながりや、人の優しい心を多くの人に伝えていこうとの思いからスタートしました。全国から寄せられたたくさんのお手紙の中から、毎日1話ずつご紹介していきます。

母よ、許しておくれ
おっ母さんは、67年の生涯を終え旅立つ時、口には1本の歯も無かったな。

思えば、おっ母さんは寒村の小農家の貧しい生活の中、左半身不随の身で11人の子を産み、皆元気に育ててくれて、さぞや苦労したかと感謝しているよ。
おそらくおっ母さんは、自分は食うや食わずの日もあっただろうに、子供だけは丈夫に育てなければと、不自由な体に鞭打ちはいつくばりながら必死の愛情をもって、己の歯までも1本残らず、母乳に溶かしてまでも、分けて飲ませてくれてしまったのか。
だってそうじゃないか。
おっ母さんは、そんなことはないと言うだろうが、11人のうち長兄は24歳で戦死したが、一番上の姉は92歳、二番目の姉は80歳まで生きたよ。そして現在残る8人も、いくら世の中が高齢社会になったとはいえ、全員80代、70代で元気に暮らしていられる事は、歯までも溶かして飲ませてくれた、おっ母さんのおかげだよ。
きっとそうに違いない。
そんなおっ母さんに、たとえ1本の歯の、その欠片さえも入歯してやらず、本当に申し訳なかったよ。

最近私も上下3本の入歯が抜けて物を噛む不便さは痛感するとき、おっ母さんは食事を噛む歯もなく味もわからず、みんな飲み込んでいたのかと、今頃になってやっと分かり、なんで入歯してやらなかったのかと、涙が止まらないよ。
お母さんはすでに50回忌を越え、私は喜寿にもなったが、この馬鹿息子の親不幸をどうか許しておくれよ、おっ母さん。

家族葬専門葬儀社オフィスシオンがお送りいたしました。

水, 1月 23 2013 » 「今は亡きあの人に伝えたい言葉」より

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