家族葬専門葬儀社オフィスシオン しきたりアカデミー

葬儀や死の専門情報を通じて、そこに向かいより良い人生を歩めるように、少しでもお役に立てれば幸いです。

1月21日 受け継がれる屑糸入れ

「オフィスシオンFMしきたりアカデミー」では、家族葬専門葬儀社オフィスシオンが、しきたりや、葬にまつわる慣習やマナーをご紹介いたします。

今回のシリーズは、「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」です。今は亡きあの人へ伝えたい言葉プロジェクトは人と人の温かいつながりや、人の優しい心を多くの人に伝えていこうとの思いからスタートしました。全国から寄せられたたくさんのお手紙の中から、毎日1話ずつご紹介していきます。

受け継がれる屑糸入れ
運命の無慈悲さを否応なしに思い知らされ、私の半生最悪の出来事だったあなたの永遠の旅立ちの朝。お通夜も葬式も満足に勤められないほどにボロボロな私でした。茫然自失の日々。

そんなある日、娘の薫が衣類の繕い物を携え我が家をを訪れました。私を励ますための訪れであることは明らかでした。薫が繕い道具入れを出した時、電気にうたれたようなショックを受け思わず『まだそれを使ってたん?』と尋ねました。『そうだよ。あのねお母さん、これをそろそろ菜々に譲ろうと思っている』と薫は笑いながら答えました。
それは薫が小学生のころ、教材用の裁縫道具入れとして与えた煎餅缶。そうです、私も小学校の頃、裁縫道具入れとしてあなたから渡されたあの缶です。薫は言いました『お母さん、ウチって貧乏なん?』私も言いましたね。貧乏だからこれなんだね、と。あなたは中に入っていた屑糸を出しながら『母さんはね、母から1粒のご飯、一筋の糸、1枚の紙も粗末にしてはならないと教わった』と言いました。長じて、そのような暮らし方はごく普通であって、質素倹約は美徳。欲望を抑えるのは女のたしなみと言われた時代に生きた事を知りました。缶蓋に書かれた博多の目がずらの絵はほとんど消えているけれど、母さん、あなたの言葉=教えの数々が鮮やかに蘇ります。

『素直なこと、従順なこと、忍耐することはどんな時代にも必要なこと』『女でも闘う時はある。いろんな苦労とね。また、闘おうにも闘えない時もある。天災とか病気とか死とか。そんな時必要なのは耐える力。だから子供の頃から我慢する習慣を身につけないといけんよ』『どんな苦しく辛い時も決して逃げちゃいけない。精一杯、力を抜かず闘うこと。それが生きるということ』『世の中って理不尽や不条理なことでいっぱい。それを受け入れて何事にも頑張らんとね』『母さんはそうやって生きてきた。満足しているし幸福だったとさえ思うようになった』・・・蘇るあなたの言葉=教えは尽きない。

私もそろそろ立ち直らないとあなたに叱られそう。古びた屑糸入れが色あせないあなたの言葉=教えとともに4代目に受け継がれる日も近い今、改めて強く思います。『たくさんの教えをありがとう』と。さらには『お母さん、私はあなたの娘で本当に良かった。私も満足と幸福を感じられるように生きます』とも・・・。

家族葬専門葬儀社オフィスシオンがお送りいたしました。

月, 1月 21 2013 » 「今は亡きあの人に伝えたい言葉」より

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